BLUE HUMAN

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『JORGE JOESTAR -ジョージ・ジョースター-』『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』『JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN』

JORGE JOESTAR -ジョージ・ジョースター-』
舞城王太郎著。1900年のヨーロッパてジョセフの息子ジョージ・ジョースター2世はリサリサと共に殺人事件を解決。一方、2017年7月23日少年探偵ジョージ・ジョースター杜王町岸辺露伴の屋敷で起こった密室殺人事件に挑む。二つの舞台は交互に語られる。作者の手持ちキャラ九十九十九狂言回しにふたつの時代を繋ぐ。1900年は20年の出来事でアントニオ・トーレスなる皮だけの少年のゾンビとの戦い。2012年は一応2日間の出来事だが杜王町が海を泳いで5部の登場人物の島と合流したり、宇宙に飛ばされカーズを連れ帰ったり。杜王町とイギリス二つの島が合体したり。タイムトラベルで36個の宇宙を早送り巻き戻ししたり。原作登場人物との妙な違いは原作の6部のオチである多元宇宙の誕生以後と見れば納得
ジョジョの原作第7部までの登場人部を網羅する舞台装置がほんとすごい。ディオ、カーズ、吉良、ディアボロ、ヴァレンタイン大統領と全ボスが登場。究極スタンド同士でのボス対決も面白い。「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」 の作者のジョジョ小説なので娘も読んでみたいと。しかし819ページあるぞ。大きな風呂敷を広げて綺麗に畳む手腕は流石としか言いようがない。グロもありギャグもあり会話も愉快。辞書並みの厚みなので1、2章ごとに読むのがよいかもね。
上遠野浩平著「恥知らずのパープルヘイズ」が外伝、西尾維新著「OVER HEAVEN」が考察なら、今作は漫画にすれば20冊くらい食いそうなジョジョ本編第○部を丸ごと作ったみたいな感じ。VSジョジョという企画を正しく解釈した結果ともいえるかも。

『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』
上遠野浩平著。「Part5(第5部) 黄金の風」の後日談小説。本編で途中離脱したフーゴが主人公。フーゴは組織の新ボスとなったジョルノから復帰の条件として、ディアボロの残党・麻薬チームの始末を命ぜられる。二人の仲間とともに任務を果たすが、ジョルノ任務の真の目的とは。トリッシュの後日談ショートも併録。びっくりするくらいジョジョらしい小説。作者のジョジョ愛がよくわかる。キャラもらしいし、仲間との回想が沢山挿入され、考察も色々あり、終わった今だからできるアレンジや人物の繋がりも面白い。石仮面の破壊するけどもう今の連載で扱われることはないから構わない。敵が3部のイタリアンレストランのシェフの弟だったり、伝令の老人の息子が部下になってたりと原作との繋がりもあり。フーゴの目から見た回想のプチャラティもいい。仲間全員の精神的支柱だった彼は、麻薬嫌いなのに麻薬班を黙認しなければならず、実は自己矛盾に壊れかけていた描写がある。ジョルノに会って、強固な意志を持つ彼の事実上の従者になったというのは魅力的な解釈。ジョルノは細菌をばら撒く危険極まりないフーゴの能力を野放しにはできず、本人が制御できるようになればよし、できなかったら始末するつもりだった。いわばボスとしての合理性も持っている。相手チームの能力も多彩で残酷な描写もある。内面描写とフーゴの成長が主軸。人を食ったような後書きも面白かった。普通の後書きと問答形式の考察。作者はジョジョ好きの第一人者だそうで。娘は後者の後書きを読んで「ブギーポップ」の悠木碧の声で再現されるねと言ってた。

JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN』
西尾維新著。ジョジョの小説。ディオの手記という形の全編モノローグ小説。部下から報告を聞くという形式でのディオ視点で第3部の粗筋と、第1部の回想と考察。二次創作的な論文という感じ。ディオを巡る女たち、母親、エリナ、エンヤ婆をクローズアップするところが、女性の多い化物語の著者らしい所かな。個人的には西尾維新さんも直球の能力バトルを書いてほしかったな。上遠野浩平さん舞城王太郎さんが双方ともVSジョジョ企画らしく直球勝負だったから。