BLUE HUMAN

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「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」10巻。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」10巻
アニメでは10話Bパートから11話。
年始の葉山と雪ノ下家族との邂逅。葉山と雪ノ下に噂が立ち三浦から葉山の進路を知りたいと依頼。三浦の不安と相手を理解したい気持ちに比企谷は共感。8巻の自分と同じだから。葉山の苛立ちは他にあり。マラソン大会で葉山と三浦の両方の案件を解決。噂は葉山が葉山のやり方で解決。雪ノ下の言う対局の意見の真逆は正解ということ。太宰治絡みの手記は葉山のもののようで。第3の手記だけは次巻への引きもあるかと。
第一の手記で太宰の小説に自分を見ようとし。第二の手記で似てるけど違うと落胆し彼なら見抜いてくれると望み。第三の手記で暴虐の王に感情移入して考える。自分を見抜いてもらいたい、もしくは見抜いてもらったその先には彼の心を見抜きたいと思っているということ。または第三の手記の王は陽乃かもねとも。
解決のため他の人の意見をきく。戸部は三浦と同じく頼る側の寂しさ、材木座からは理系は女少ないメリット、戸塚からは勇気なら文理選択は重視しない場合を、平塚先生からは選択を削ることを。そして海老名は葉山が道化と気付いてる。彼女も同じだから。それを知ってて冷徹に利用する。自分達は彼に期待することしかできないが比企谷なら助けられると示唆する。孤独な彼の拠り所にと。葉山は道化でもあるがリーダーの孤独ともいえる。
葉山は進路を言わない。優秀だしどっちでもいい。ならバラバラになりたくない皆の期待通り文系にすべきで結局は文系を希望していた。しかし内心足掻いている。比企谷は葉山の進路に皆がつられるからと思いその面もあるが戸部が違うようにそうでもない。葉山につられるのではなく逆に葉山が皆の進路につられるのだと。頼られるから期待通りにしてしまう性質故に。全て放り出してその期待を裏切ってみたい気持ちと駄目だという気持ちの鬩ぎ合い。選択は変わっても仲間は離れないだろうから大した違いはないと思っている。ささやかな抵抗。
しかし思わせぶりに言えば誰かが比企谷に依頼する。波風立てないなら決めてないと言えばいいのに、あえて決めてるのに言わないという含んだ言い方をする。案の定比企谷が依頼されて葉山に聞きに来るわけだが。比企谷が部活後来た時葉山は普通に話しかけてきたと思ったよう。恐らく騒ぎに疲れた辛い時に丁度よく現れた比企谷の労りの言葉に嬉しくなり。葉山は気を許し仮面を外して辛辣な本音を話す。だが比企谷が葉山に自分から話しかけるのは依頼された時しかない。その事を忘れて言われて気づき仕事かと憤る。葉山の進路になどまるで興味はないくせに聞く。わかってて企んだくせにその事実に苛つく。比企谷が仕事でしか絡んでこないのが煩わしい。比企谷のことに苛立つその自分の心の煩わしい。という風に見えたり。でも比企谷はそう取らず葉山は色事が煩わしいのだと受け取る。
陽乃の言う葉山が比企谷に見つけて欲しくて期待してたのは。手記のとおり、彼に道化を見抜かれたい糾弾されたいということ。なのになんでも見通す彼に自分のことだけは見てもらえない。それはなにより辛いことだというそれ。嫌いだとかいい奴じゃないとか何度もフックになるようなことを言ったのに。理解してくれそうな唯一の相手が自分だけは理解を求めているとすら思ってくれない苛立ち。
走れメロスとダブらせるマラソン大会。人間失格しそうな友を助けるために走るという。どっちでもかわりないと。そう思っていた葉山に理系を選んだ場合のメリットを比企谷は提示する。葉山には思いもよらなかったメリット。葉山はその効果を考えてはいなかったかと。比企谷が葉山のために考えた解決策。皆は今まで比企谷の解決策を受け入れてきた。そうしていい結果を迎えた。きっと葉山にとってもいい結果が出るだろう。欲求を叶えることを選べる道の提示。だが葉山はそれを受け入れるには抵抗がある。比企谷への劣等感と皆への責任感。比企谷が葉山に期待しないことを選ぶように葉山もまた比企谷の方法を否定する方向を選ぶ。比企谷は平塚先生の言う選択肢を削ることをして。葉山は雪ノ下の言う対局の意見の真逆は正解ということで答える。
比企谷が文系を選ぶことは葉山もほぼ予想がつく。比企谷と関わり続けたいなら葉山の選択は文系になるわけで。理系を選べば絶たれるわけで。比企谷は気づかなくても、理系を選べば皆はともかく比企谷とは切れるという含みがやはりある。もしくは葉山は言われるまで切れると思ってなくても比企谷の考え方はそうだとここで知ったかも。文系を選んで間違っていなかったと葉山自身思ったかも。もっとも葉山は会いたければ自分から会いに来るか。最後の祝勝会で比企谷の腕をとり引き止めた行動でそれが見えるなと。
自分を迷わせる存在だが彼の前でだけは自分は嫌な奴でいい。そう見抜かれているしそう告白もしたから。そんな自分を彼にだけは見せられる。なのにいい奴だとその比企谷が決めつけるのに苛立っていたんだと。すごい奴だと言ったのは仕返しだと示す。君だけは決めつけるなと。それは葉山にはなにより辛いことだったわけで。他の人には期待されるいい人を、リーダーという道化を演じても。わかってくれる理解者の比企谷がいることで葉山は楽になる。葉山の案件にだけは終わりはない。そういう関係を葉山は望んでいる。比企谷はそれを受け入れる。
所詮は葉山とは対等ではないと判断して関わりたくないと思っていた比企谷。期待せず否定する比企谷の存在が葉山を助けることになるなら。9巻であったように相手を助けることで対等になれる。葉山が劣等感を感じたくない、君と対等でありたいと言う。比企谷もやはり同じように思っていたわけで。その意味で両思いであったわけで。
見失った自分の欲求とそれを叶える冴えたやり方。それを選ぶことは生き方も欲求に従うことになる。だからあえて選ばない。だが自覚していなかった欲求を提示されたことで選択することができる。1つしかないと諦めていた道は他にも存在する。比企谷は今後も葉山のために彼のエゴを見抜き当てては選択肢を提示すると。葉山は暴かれても理想を演じると決める。自分の欲求を選ばないで装う。周りを喜ばせる人間失格の道化と同義。だから比企谷が選択肢を見せ疑わせ迷わせる。彼のあり方はこれでいいのかと繰り返し。逆説的に選択させる。
ラソン大会の表彰でいろはと三浦を褒めたのは雪ノ下との噂を消すため。比企谷に言われて言語化されたように三浦は葉山が選ばないよう高校生活を送るためのコマ。安定のため手段を選ばない冷酷な一面。今まで通り女避けに三浦を利用するという意思表示でもあるかと。だが開き直って前向きに。それが葉山の葉山らしい手段でもあり。比企谷の理系選びによる色事避けに対して葉山が自分の方法を見せたことでもあり。
奉仕部の関係は11月の修学旅行で拗れたけど12月のクリスマス会前には戻ってより仲良くなった。でも葉山とは修学旅行まで順調にいい関係を築いてきつつあったのに、拗れてからはさらに比企谷がもう関係を絶とうとするほどに拗れた。1月末マラソン大会にしてやっと戻ったという。長かったねと。葉山よかったねと思わざるを得ない。ようは何よりもつらいことだと自覚して仲直りしたかったんだなとも。


男キャラも女キャラも皆いい子で健気で可愛い。なのに色々上手くいかなくて悩んでるから応援したくなる。キャラに感情移入できない小説でも話とかネタとかディテール的な別の魅力で読めるけど。感情移入できるのものは読むのが楽しいなと。