BLUE HUMAN

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「HELLO WORLD」「二ノ国」

HELLO WORLD
主人公の前に10年後の自分が現れる。彼は現実から来て主人公の世界は量子コンピュータの記録の世界であると言い、近々恋人になる少女の危機を救うよう頼まれる。しかし救ったとき少女は彼に現実に連れていかれる。現実で彼の彼女が目覚めるが実はそこも記録の世界だった。時間SFやパラレルワールドの解釈に似て非なる。入れ子のどんでん返しが面白い。監督伊藤智彦、脚本野崎まど。ラストの解釈は、じつは彼女も記録世界から彼を攫うという、同じことをしてたけど、もっと計画的にうまくやったってことだよね。ハッピーエンドだけど、記録の世界から彼が彼女を攫うタイミングで、うまく彼の意識の方を攫ったわけだ。現実で彼女は起きたけど彼はダイブで意識が消えて昏睡状態になったかな。仮想世界も一つの現実でいいじゃん、という解釈はグリッドマンもだね。映画『HELLO WORLD』と「空の青さを知る人よ」が「別時間の同一人物が来る」という同ネタの同時期公開で監督同士がアニメ誌で対談してたね。でも冒頭だけで話は全く違うしジャンルも違う。SFと書いても前者はサイエンスフィクション、後者は少し不思議。どっちも時間SFではないのは意外だった。科学の進歩でSFの捉え方や解釈の仕方が変わるのは面白いね。今だとスマホやパソコンの同期やバックアップ、デバックとか、パラレルよりそう考えると理解がしやすいかもね。娘にあらすじを話したけど入れ子構造のオチにほほうと感心してた


二ノ国
前半は車椅子少年視点で、二人の子供時代やラストの語りはもう一人が視点。ゲーム原作だし視点をもう一人に絞ったほうがよかったんじゃないかな。車椅子少年と姫の恋は物陰から垣間見れば十分。二度目に飛ばされた先で騙され車椅子少年が恋で血迷ったと思い込んだ、とすっきりする。二人の少年現実と繋がった魔法世界に跳び、反目するも行き来して危機を救う。前半は説明的だが二人が和解してからの後半はスカッとバトル。娘は後半見てたけどジブリのスーパー作画で見てみたかったと。同意。元ジブリ森田宏幸さんも助監督で参加。レベルファイブの「二ノ国」アニメ映画化。実際、視点がもう一人の方になった後半はなかなかよかったと思う。子供時代のキャラデザも少年らしいやりとりもかわいかった。視点を固定すれば普通の少年が不思議な少年と知り合い、友人になるが、不思議な少年はあるべきところに帰った、みたいなかぐや姫をモチーフにしたようなストーリーになる。個人的にはそっちの方が好み。