BLUE HUMAN

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「隠の王」からつらつらと

隠の王鎌谷悠希著。
全巻読了。力を持つ少年を巡る忍び組織の抗争。少年壬晴(みはる)と敵の忍びの少年宵風(よいて)の交流が軸。複数の登場人物達の想いがそれぞれ怒涛の錯綜。10巻で宵風が死に11巻からはそれを壬晴が受け入れるまでの後日談的。あと1冊だが。途中多少荒れるが絵の上達が凄い。「ぶっしのぶっしん」4巻も面白い。自由闊達な線が綺麗で仏像に合ってる。
鎌谷悠希さんはアセクシャルXジェンダーだそう。アセクシャルは両性とも恋愛対象じゃない。バイセクシャルの逆。作品のキャラ達の関係に性的なものはないと。心の繋がりを求めても体の繋がりは求めていないと。隠の王も少年ノートもぶっしんも。少女向けの漫画を描くには合ってる長所かも。萩尾望都漫画みたいな両性的な魅力がある。少女向けは潔癖で生々しさを嫌う。でも恐れとともに憧れる。成熟すると女になり母になり少女ではないというのが少女の解釈。恋愛は彼岸にあり憧れで精神的で。温もりは肌を隔て内側には繋がらない切なさも少女向け。「隠の王」で主人公の半身と出会い二人で逃亡し失い立ち直る構造は「風と木の詩」を思い出す。BL以前のJUNEかなと。実際は男が少年が中にいるように女や母も少女が中にいてなくならない。小花柄が照れからヒョウ柄になるだけで。
ジェンダーを扱う「しまなみ誰そ彼」も読みたいなと。
恋愛とはなにかと考えたり。所謂生物として繁殖のため恋愛というか発情は必要だが。発情期だけでいいわけで。恋愛を心とすると恋はパッション、愛はアガペーで。発情は動物的本能。本能だからあるときは抗い難いがないときはさっぱり。本能として男性は自分の遺伝子を残すため、女性はより良い遺伝子のみ得るため。慎重になるところがズレる。発情なくては恋はないが、恋がなくても発情はあり、発情なくても愛はある。恋愛必須じゃない作品にほっとする時もあり。
いや、腐としては元はストイックである方が妄想できるし。この作者の作品に別には妄想はしないが。