「探し物屋まやま ヤサシイセカイ」木原音瀬著
ごみ屋敷に住む引きこもりの青年は火事で焼け出され、不思議な力を持つ探し物屋の兄弟と弁護士に助けられる。新入社員の時の痛手で10年余り閉じこもり火事を機に他人と接することに戸惑う青年は彼らに雇われることに。放火魔は口がきけないが人に喋らせる弟の力で自白。BL作風的には男前で長身設定な弟と関係しそう。兄は顔も背丈も不明で脇役にあるタイプ。でも普通小説だからシリーズ化してもBL展開はないな。
「リサイクル」木原音瀬著
ちょっと未来の日本。遺伝子検査で母と血の繋がりがないと判明した主人公は元産婦人科医に会い真相を聞くのだが。生殖細胞を愛でる、作者らしい執着心の表現が面白い。
「ぼくを燃やす炎」
マイク・ライトウッド著。主人公は同性の友人に告白したことをクラスに知られ虐めの標的になり、家では父親のDV。自傷行為をするが、強くなるため入った柔道教室で恋人ができ、救われ強くなってゆく。クラウドファンディングで発行された。普遍的青春小説。スペインのブロガーの作者がブログに届く若者達の声を反映して書いたそう。話の中で悪役になったゲイの子達も、誤ってしまった側のそんな声の1つかも。
「君の名前で僕を呼んで」
アンドレ・アシマン。イタリアの避暑地での高校生と大学院生のひと夏の恋。駆け引きされ落ちるも翌日一時的に醒める高校生、繋ぎ止めようと手管使う大学生。結局高校生を選ばず結婚する大学院生。大学生と関係しつつ異性とも関係する高校生。双方とも情熱はあれど一途とはいえない。両刀だしひと夏の思い出になる要素が色々。