「灰の月」上巻
木原音瀬著。組長の息子は陵辱事件のトラウマで対人を恐れ、腹心の部下に頼りきり。事件で男色に目覚め部下に命じて関係した結果、想いを寄せるが部下はヘテロであり拒絶される。性生活は荒れ、周囲にも性癖は知れることに。彼のボスらしさに惚れていた部下は幻滅し、組長に移動を命じられる。無惨なところで下巻に続くが巻き返せるのか。「月に笑う」スピンオフで同作の番外編も併録。
「灰の月」下巻
木原音瀬著。部下は2年ぶりに組長の息子と再会するが組長が殺害される。息子らしく組長の弔い合戦を行う息子を見直す部下だが、彼は部下への思いのあまり乳房を作っていた。理想の経済ヤクザのボスを慕い雌犬な彼を嫌悪しつつ抱く日々。その後結婚式が罠で組長息子改め組長と女装して逃亡。葬式での騒ぎで組長が行方不明になり年月が流れ。見つけたが彼は薬漬けで去勢された。最後まで血生臭いエピソードでも心を病むボスと二人きり。ボスは女性になり部下にボスでなく雌犬としてだけ愛されるハピエン。部下には理想のボスを失い組という居場所も失くすバッドエンドかも。
映画『窮鼠はチーズの夢を見る』辛口感想
辛口感想。水城せとなの原作は初回からハードに男同志の濡れ場満載で二人の関係が中心なんだが。定勲監督はBLに全く興味ないのがわかる。前半40分に男女の濡れ場2回もあるしやたら女優の出番多くてどれも長尺。腐女子誰得。お呼びじゃない感。監督の得意分野に寄せてるのかね。監督がいかに女が撮りたくても見るのは腐女子。TPOを考えるべきでは。逆に考えれば男女恋愛作品なのにBLシーンが多いようなもの。BL嫌なら監督辞退すればいいのになんで受けたの。恋愛に性別関係ないとでも思ったかな。女相手とは全然違ったんじゃないかな。恋愛よりストーカーにしかみえん。BL恋愛はどう描くべきかはBLに振り切って楽しそうだった「おっさんずラブ」の爪の垢を煎じて飲めと。ついでにBGMはほぼなく無音で1シーンが冗長ね。音楽って大事だと思うが昔の日本映画にありがち。
それでもBL濡れ場は中盤とラストに2回あったし。役者は頑張ったかな。そのシーンはいい。ライティングもいい。
成田凌くんは「アンサングシンデレラ」の田中圭くんとのが雰囲気あったね。BLじゃないけど色っぽい関係性を漂わせてた。特になにかするわけでなくても、そういう関係性が見える絵作りってのはあると思うんだが。監督の考えというのはやはり作品に出て伝えたくなくても伝わってくるんだと思うな。