「虫食い」(小説現代2013年11月号)木原音瀬著。
虫を食う少年と幼馴染の奇妙な関係。生き物食うのを幼馴染に見せる少年。少年は幼馴染を守るけれど、彼のその指を口に含むのを喜びとする。短編だけど長編のプロローグのよう。続きがあれば読みたい感じ。
「ゴルゴダ」
深見真著。妻を惨殺された陸自の精鋭である主人公は周到な計画を立て加害者達に復讐する。執拗に彼を追う刑事は事件の真相と彼の目的を知ってゆくが。苛烈な拷問や銃撃を淡々と行う主人公がいい。聖書からの引用が随所にあり表題の解釈もいい。男女コンビなので恋愛要素ゼロでストイックなのがさすが。主人公と上司、主人公と刑事の同性の関係がなかなかいい。