BLUE HUMAN

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「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」8巻。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」8巻
アニメでは2期3〜5話。前巻でギクシャクする奉仕部に生徒会選挙の依頼が来て別々に対処することに。比企谷は偶然陽乃に会い中学の同級生に遭い葉山とダブルデートすることに。生徒会選挙の依頼を大勢の助けで己の望ましい形に完遂するがしかし奉仕部はぎこちない上辺の関係に。
比企谷は葉山が理解してくれてると思ったが違ったと。雪ノ下は比企谷が理解してくれてると思ったが違ったと。比企谷と雪ノ下がそれぞれ理解を期待した相手に裏切られた形。比企谷の考えや行動がブーメランで帰ってくる感じ。
前回で傷ついてそれを隠す比企谷。雪ノ下の生徒会立候補は奉仕部解体と恐れて雪ノ下の秘めた希望を潰し今度は雪ノ下が傷ついて奉仕部は安泰なるも上辺の関係に。
さて、はやはちとしては。
比企谷は葉山に彼は自分を理解してくれると期待していたようで。だから葉山に同情し身を切り助けた後彼の同情の目に感じた劣等感が我慢ならなかったと。期待したからこその憤り。それは彼と対等でいたいというのが比企谷の望みのような。
これは10巻に葉山からのアンサーがあると。10巻マラソン大会で葉山は比企谷に劣等感を感じたくない、対等でいたいと言う。実は二人は同じ望みを持っている。葉山も比企谷に期待していると陽乃は言うわけで。
何らかの関係を築いてゆきたいとふたりは不器用な両思い。
比企谷が陽乃を評した言葉、対等な関係を築ける数少ない相手に固執する。というのは葉山の比企谷へのそれにも言える。
8巻では比企谷は葉山と関係を断とうとする。葉山は築き始めたのに壊してしまった関係を取り戻そうとする。比企谷が助けを望んでると思うのは葉山が彼を助けたいと望んでるから。
葉山から見ると折本に昔比企谷が告白して失恋したと知り、修学旅行で偽告白でこの古傷を抉ったと思い、しかも彼女が比企谷を嘲っていると見て、デートの名目で奉仕部の彼女達に対面させて見直させようとしたと。
アニメでは奉仕部のギクシャクした状況を知ってての行動したように思ったけど違う感じかな。自分が一目置く人を思っている人を低く見られている憤り。さらには比企谷との徐々に築いてきた関係の修復のため。そのために葉山は陽乃も奉仕部も利用したようで。おそらく悶着に繋がる女子とデートも葉山の主義を曲げる行動。
一方比企谷のトラウマは折本に好かれたと思ったから好意を持ち、好かれてはなくて勘違いで幻滅した恋もどき。しかし恐れていた折本への蟠りは全くなくなっていると自覚して安堵。この時もし比企谷にまだ失恋の痛みがあったなら葉山の意は通じたかも知れない。けど結果として葉山のしたことは意味不明に。
ただ身を捨てた葉山の気持ちは響く。葉山の言葉が的を得ているか不明だが、認めないようにしていた傷ついた心を自覚させられる。葉山の壊してしまったものは比企谷を支えていた信念。比企谷の信念を犠牲と呼ぶのは同情ではなだと思いこんでるから。
人が犠牲になるのは苦しい。それで大切なものをなくす様が痛々しい。自分なら犠牲じゃないと言えるのに。人だと犠牲だと思う。同情と思ったそれは傷ついて欲しくないという気持ち。葉山のそれには反発した比企谷だが奉仕部の彼女達のそれでやっと自分の行動が周りに見える姿を知る。ブーメランのように認識が返ってくる。葉山も同情ではなく痛々しいと思っていたのだろうがそこには考えは至らないような。そして葉山の言うように助けを求める。それが助けたいと望んでいる葉山にではないのが皮肉だが。