R/EVOLUTIONシリーズ 五條瑛著 「断鎖」「紫嵐」「心洞」「恋刃」
「断鎖」五條瑛著
革命シリーズ1作目。密航の手伝いをする青年亮司。密入国者襲撃により仲間が散り散りになり、亮司は謎のイケメン男サーシャの依頼を受ける。依頼内容はある老人の密出国。襲撃を受けた理由、仲間の秘密、依頼の真の目的、青年は巻き込まれ翻弄される。仲間の大川と植村がそれとなくBL関係。サクサク読みやすい。
「紫嵐」
シリーズ2冊目。カンボジア移民の青年鳩は少年すみれに会い傾倒。彼を通じ画廊になった亮司・サーシャ達と知り合い。鳩は中国系勢力に殺人で身を隠した相棒の捜索を命じられるが、実は麻薬絡み。巻き込まれて奪取を画策し亮司達の協力を仰ぐ。多国籍な登場人物。鳩の故郷の回想も挟まれる。
「心洞」
シリーズ3作目。同居若者男女W主役。前作の麻薬を巡る話。男は麻薬ルートの男鳩を捜索する中、掘り師が匿う大川に傾倒したかと思ったらヤク中にされただけで肩透かし。女はフィクサー和田の孫。シリーズの主要人物は後半にやっと登場。
「恋刃」
シリーズ4作目。亮司が出る場面は面白い。彫り師の彫翔は画廊の亮司と交流し詩神と呼び傾倒。経産省の公務員桑田は行方不明の畠を捜索。彼らを追う記者亘。タイと日本の両フィクサーの関係の謎。引き続き麻薬巡る二つの組織の抗争。それを裏で画策する男サーシャ。亮司とサーシャ、亮司と彫翔の関係がいい。他は状況掴んで飛ばし読み。
状況説明だけでもよい場面も、必ず会話もあるのが脚本ぽいというか。作風かな。省略できそうだと思うところもあり。2作目は女の会話場面、3作目はほとんどを状況掴んで飛ばし読み。この作者に求めるのはBLっぽさなので。
「エンタテイメントの作り方」で、貴志祐介さんは1行おいていらない場面省略すると。定型的会話やお約束な動作は省略できる。物語に必要な以上のぎっしり説明はいらない。いらないとするか書きたいかは作者次第。読者も好きに飛ばし読みできるわけで。飛ばし読みしたいわけではないが。読むのに心がくじけそうになるので。