「テイルズオブジアビス真白の未来」
外伝上巻。矢島さら著。ジェイドの子供時代の話が面白い。怜悧で天才だけど危うい少年ジェイドと腰巾着のサフィールにピオニーとの出会いと交流。第七音素の素養がない故に焦り道を踏み外すジェイド。同時収録は題はガイだが中身はセシル将軍の話。作成した先生型の化物はゲームに出てるとか。下巻でその末路が書かれる。
外伝下巻。題はナタリアだけど中身はラルゴ。妻との馴れ初めと赤子すり替えの悲劇の舞台裏の話。同時収録は題はイオンだが中身はレプリカ達。シンクがイオンより多くて少しフローリアン。生まれてからシンクの濃くなる絶望と希望を得てゆくイオンとの対比が面白い。
「テイルズオブジアビス黄金の祈り」
上下巻ともティアとガイの外伝集。上巻は本編以前の話。ガイ視点のターンがいい。屋敷襲来から逃げ延び潜伏先で幼心に復讐心を育てる。もう一編はファブレ家に潜り込むが誘拐事件以後ルークの世話をするうち情が移る。ティアのターンは少女時代の生活と兄との決裂。ガイと本物とレプリカそれぞれのルークと交流が面白い。仇の妻子まで憎めるだろうかと思うも貴族然とした本物のルークには思いがけず憎しみが生まれ、無邪気なレプリカのルークではその憎しみが保てず煩悶する。本編ではない過去ならではの心情描写がいい。
下巻は本編時間軸。ガイのターンでは冒頭でルークが飛ばされた後の喧騒と追跡するガイの旅路。いまだ心情が複雑で面白い。もう一編はガイ視点でのアクゼリュス崩落直後から洞窟でのルークお迎えやカースロットとその治癒での心情描写。公爵邸での忠誠のエピが特に良い。ガイの心情は潔いくらいルークばかり。ティアのターンは割と粗筋。