『しまなみ誰そ彼』鎌谷悠希著。
自分の性指向に悩む主人公は謎の女性に「談話室」に誘われる。そこは様々なセクシャリティの人々が集まる場で、主人公は交流することで癒され前向きになる。他の人々のターンもあり、それぞれ外部の人との関わりの難しさが描かれる。繊細な内容と自由な画面構成が独特。悪意も善意も人を傷つけてしまうこと、セクシャリティだけでで判断することの失礼さ、人の背中を押すことの責任、同情するのは他人事だから。大切な人が大切な人を傷つける辛さ。でもわかり合えば付き合い方も付け合えないこともわかる。作者の主張は鋭くも優しい。
「往生際の意味を知れ!」米代恭著。
7年ぶりに会った元カノは子種と出産記録撮影を要求。彼女にベタ惚れな主人公は承諾するが彼女の目的は母親への復讐だという。母親は妖しい彼女の上をいく恐ろしさ。サスペンスベースのコメディ。
「銀河の死なない子供たちへ」施川ユウキ著。
人類滅亡後の星で母親と呼ぶ存在と不老不死の姉弟が悠久の時の中で暮らしている。ある日宇宙船が墜落してきて、姉妹は乗組員が生んだ赤ん坊を育てることになる。不死の存在と限られた命と選択。
「微妙に優しいいじめっ子」もすこ著
地味な主人公はヤンキーの同級生に毎日いじめられてる…が内容は気遣いがあって微妙に優しい。消極的な主人公と不良気取りのヤンキーが正しく友達になるまで。いじめ?の内容がかわいい。キャラ皆善人で微笑ましい。4コマ漫画と普通の漫画の形式が混在。
「ながべ短編集」
怪物と少女や猛獣と少年など異種族同士の心の触れ合いを描く短編集。どれも雰囲気ある話だけど、見栄を張る動物園のライオンと少年の話、怪物と目の見えない少女の話が特に面白かった。