「ガンダムage」9話10話視聴。
9話はマッドーナ工房社会見学。おやっさんが意外とイケメン。工房でタジタジなウルフにジト目したり、設計図前に張り合ったりと子供っぽいフリットがかわいい。息止めてガンダムへ機体移動するフリットもかわいいぞ。ウルフとのコンビ回とも。ファーデーンでフリットはグルーデックとの握手を躊躇する。でもグルーデックが皆に復讐だと告白したことで、フリットは自分達のような犠牲者を増やさないためにと一緒に戦う決意をする。グルーデックと自分を同士と一緒に括ったように見える。だが躊躇させた何かはここで回答されてない。この時のフリットはグルーデックの憎しみを背負う覚悟があるわけではない。だが老いてからは他人のそれもすべて背負うわけで。そのグルーデックは憎しみが解消したら一抜けするし。フリットの動機は憎しみではなく自分の無力さと力ある者の責任感。だが彼らの行き場のない憎しみはフリット一人が背負うことになる。その予感のようなものがフリットを躊躇させたかと。躊躇したが踏み込んだ故の結果といえる。
ウルフとの仲間の握手とグルーデックとの重い運命の握手の対比。二度の握手の対比といえばアセムとゼハートの握手。部活に入る時、アセムに手を差し出されゼハートはちょっと躊躇するが握手する。これは仲間の握手でもあるがフリットと同じく運命の握手とも。もう一回はダウネスでの握手。心中覚悟での語りあい。お互いの立場を分かり合い尊重しての握手は果たされない。後に総司令の立場の重さ故暴走したゼハートと戦士として決着をつけねばならないアセムを暗示している。何に対して握手するのかの意味は重い。もしここで握手してたら和解エンドの可能性があったかも。
10話はファーデーン勢とディーバ対UE。特に最終回への伏線が満載。UEは人間ではないと言うグルーデック。後に老フリットも同じ事を言う。しかし人ならあんなむごいことはできないと子供フリットは言う。行いで人らしさを測れるフリット。後にそのむごいことを危うくやりかける自分に返ってくる。ファーデーン勢がデシルに翻弄され同士討ちして仲間割れ。連帯を呼び掛けるために上に向かって撃つフリットはそのまま最終回で両軍に連帯を呼び掛けた図と同じ。また、オロオロする両軍に連帯を呼び掛けるボヤージュも最終回のフリットを思わせる。そのボヤージュの特攻での最後の通話。映像は見えても音声通話が切れててフリットにすごく何かを伝えてるのに聞こえない。切ないというかとてもいい演出。言葉では伝わらない何かはフリットに伝わっている。フリットがXラウンダー能力でデシルが見えるが回想風。見えるのは顔知ってるからでやはり感知かな。ついでにアダムスは軍に増援要請して断られて残る。義侠心で残るのだと。同情はあるがそれで動くのではないと。フリット以外のクルーの姿勢も多分同じ。彼はそれを明確に言語化させる役目かと。
後半ではヴェイガン側はギリギリの状況だと解るがフリット編では謎。真珠湾攻撃の話だが、総力で一気に叩き戦意を挫いて講話が目的だったそう。得体の知れない間が勝負。物資不足がバレる前に。余裕に見えるヴェイガンだけどあれで総力だったのかも。しかも地球軍はディーバしか出てない状況。ついでに真珠湾攻撃は宣戦布告なしだったこともあり敵の戦意は消えず。国民も参謀本部も自国は強いと勘違い。実際に戦う大将クラスだけが危機感。キオがヴェイガンに拉致された頃、地球占領してたヴェイガン側の国民も本国で勘違いしてる感じ。イゼルカントもかも知れない。戦争は始めるのは容易く納めるのが難しいとか。ヴェイガンの大将格は敵の戦意喪失を狙ってたかも知れない。イゼルカントの意思とは別の現場感覚で。長期戦になっては地球占領も持たない。その地球占領も宣戦布告のない襲撃だった。
デシルの移住の許可は地球側の誰かかな。キャパのない土地への大規模移住。なのに無理とは言わない。イスラエル建国を餌にユダヤ人に戦費を出させたアメリカ、EU加盟を餌にトルコに金を出させてるEUのように。地球の姿勢はのらりくらりと先延ばし。イゼルカントが怒るわなと。
本放送当時ヴェイガン側の事情見て映画「愛人」の1エピソードを思い出したなと。フランスからベトナムの民間植民。母親が干潟を捕まされ雨季に畑が水浸し。財産はたいたから本国には戻れない。干潟で呆然とする虚無感が印象的で。似た状況かなと。イゼルカントはそんな第一世代か。イゼルカントの火星年代記はなかなか面白そう。もちろんゼラ容姿で。開拓、苦難、船建造、帰還シャットアウト、コールドスリープで全時代ゼラ容姿。火の鳥望郷編みたいか。青年フリットの話の次くらいに見てみたいものだけど。