BLUE HUMAN

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木原音瀬作品の既刊クリア

「ラブセメタリー」(小説すばる2013年9月号)短編。
精神科の看護師である主人公は小児愛に悩み相談に来た患者と偶然再会し素性を隠して友人になるが。男が恋したのは幼い頃限定の甥。望まない性癖への絶望が痛い。主人公も酷い失恋に慟哭。作者らしい心理を抉る話。

「あのおじさんのこと」(小説すばる2014年5月号)短編。
「ラブセメタリー」の続きで甥の話。主人公は死んだホームレスの生前の姿を調べるが小児愛性癖と生前の良い評判の差に戸惑う。調査の一環で叔父に逢うが昔を思い出し疑惑を抱く。人間の多面性と業の深さ。

「吸血鬼と愉快な仲間たち」1〜5巻。
下村富美さんの挿絵が綺麗。アメリカから日本に蝙蝠姿で冷凍空輸された間抜けな吸血鬼。昼は蝙蝠で夜は人になる彼は無愛想な同居人に庇護され周囲に馴染んでゆく。同居人の職業エンバーミングの蘊蓄あり。吸血鬼は俳優になり渡米し他の吸血鬼も登場。作者特有の執着の精神的苦痛がなくてちと物足りないかな。暴力や流血はあるが。5巻は同居人の少年期の番外編併録。親を知らない少年は従兄弟の家で育つがDVに遭い、児童養護施設でも理不尽に苦しむ。擬似親を求めては裏切りを恐れる孤独な少年。著者らしい作品。本編より好み。
印象は普通ぽいライトBL。吸血鬼は依存体質でも同居人は寛容。一般的には互いを大切に思う平和なカップルは王道かもね。でも著者に求めるのは歪な人達が執着し手に入れたいと苦しみ衝動で間違い葛藤し互いを傷つけあう酷い話だから。渡米後の別れ際やっと吸血鬼攻で同情Hだがちと萌えない。両方美形でなぜかカップルと誤解される場面多い。同僚相手や不協和音の刑事コンビのがらしい話になりそう。吸血鬼物らしく血液供給は毎回。

木原音瀬作品の既刊クリア。後は新刊と雑誌掲載待ち。普通小説もあるし。尖ってて多作多彩で面白かった。「箱の中」・「檻の外」と「嫌な奴」と「情熱の温度」が特に好みで。