BLUE HUMAN

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「テイルズオブジアビス」

テイルズオブジアビス
最終回まで視聴完遂。面白かった。最終的に欠点だらけのキャラクター達がみんな愛しくなった。欠点があるからこそなのかも。ラストのオチ、身体アッシュで決まりとして記憶は融合したとして意識はどっちが戻ってきたのか明らかでないところが面白い。OPと違う戻り方なのも。冒険ファンタジーというより神話とか聖書みたいな普遍的な構造に思えたり。傲慢な主人公が過ちを犯し悔恨の旅の末に償う期を得て英雄となる。ギルガメッシュサーガとかそういう話だったような。ヤマトタケルの話もそうだし。火の鳥鳳凰編もそういう構造。ラストでアッシュの死体を抱き降下するルークが光り拡散する心中シーンは綺麗で残酷。分かれた自己がひとつに戻りたい方と分かれたままがいい方がいて、でもともに滅ぶ。話の構造としては復活したけどもう普通の人間ではないかな。聖書的復活なら神みたいなものになっての復活だし、ふたつの自己の結末なら融合しての復活。どっちともとれる。どちらにしろ復活前とは全く違うものになったかなと。希望とは別にして。聖書というかキリストの贖罪かな。物語はルークを世界救済の贄という磔刑にするべく進み、約束どおり復活。あと2クール目のルークは周りの人の弱さや闇を片っ端から許していく。ルークを作ったレプリカ作製の技術を発明したジェイド、元は復讐のために屋敷に来たガイ。敵のスパイで挙句に主人を死なせてしまったアニス。騙されたとはいえ町一つ壊滅させた自身の罪。どうにもならない理由で人は罪を犯す。被害者が加害者にもなる。そんな人の身になって考え許す。ついにはラスボスまで許す。いい子になりすぎて我儘な頃が懐かしいくらい。キャラクター同士の関係はマイナスからリスタートしたのに、互いの闇を許容し、丁寧に仲の良さが構築されていって、いい雰囲気のパーティになった。まさかこうなるとは。キャラ達の雰囲気がいいから主人公2人が死に向かう暗さがあってもエンタメになる。メイン以外の王様達も明確な罪を背負ってる。繁栄の預言成就のため息子を死地に向かわせたり、死んだ娘の身代わりに市井の子を攫ったり、一つの町を滅ぼしたりと。周りが罪人ばかりだから人々の罪を許し救い代わりに死ぬ贖罪が結末になる。救世主として。一方罪なき民を救うならば英雄になる。