BLUE HUMAN

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木原音瀬を読書中

「WELL」
木原音瀬著。突然砂漠化した世界での絶望サバイバル。女は全滅。生き残った人々は駅地下で潜むが食料が尽きれば後はなく悲惨な状況。主人公は怪我で役立たず。主人公が家来扱いしていた男との関係は覆る。そこが一応ロマンス。悪意やエゴイズムか秩序と綱引きする面白さ。「WELL」の続きが「HOPE」。後半の主人公は駅地下の人々のリーダーに。彼らはデパ地下の住人に受け入れられるが目的は人肉だった。誰かを守るという名目で壊れてゆく人間性の物語。

「HOME」
木瀬音瀬著。心理描写と会話が面白い。憧れの人の血縁である義理の甥を引き取った主人公。育った甥の主人公への執着とすれ違い。恋愛というより人の人への執着が作者のテーマ。甘くないし過酷な状況とその顛末がすごい。主人公はアル中。甥は大怪我を負い歪み、主人公の想い人の顔に整形しちゃったり。追い詰め方が半端ない。でもハッピーエンド。飾り気がなく1センテンスが短めで読みやすい文章。

「fragile」
木原音瀬著。主人公が陥れた有能な部下に首輪監禁されるのが前半。上司が「カイジ」の一条みたいなチャラい気障なキャラで、監禁も酷いが上司も酷い。後半は実は上司を慕っていた部下が主人公。途方にくれる彼に上司が靡き軟禁から同棲生活に。ストックホルム症候群かと思いきや芝居。上司蒸発。でもラストは部下の粘り勝ち。部下の恋が実り良かったねな読後感。かなりコアな作品かも。

「秘密」
木原音瀬著。死体を部屋の冷凍庫に隠した主人公が男の家に同居する。好かれて情が移り秘密を知られるのが怖くなる。実は死体は主人公の妄想。男もディスレクシアという秘密がある。お互いの秘密は難点ではない。続編2編は男の家族の話。従兄弟の視点と弟の視点。ディスレクシアの薀蓄がいい。

「嫌な奴」
木原音瀬。凄く切なくてかなり好きな話。人同士の執着を描くのが秀逸な作家さん。主人公は故郷で会った幼馴染に家に居候される。子供の頃乱暴者の彼を主人公は嫌なのに怖くて友達していた。彼はその本心には気づかず主人公の偽善を優しさと思い執着していた。でも段々明らかになる。わかったところで振り切れない主人公と悲惨な運命で主人公以外何もない彼。子供の頃ろくな人間ではなかった彼は主人公のお陰でまともでいられた面も。会わなければよかったでも見つけてしまったと。ともにいることで何か形になる、最終的には執着持つ方の粘り勝ちでほっとする。

「NOW HERE」
木原音荑。30代の主人公が50代の地味な男に入れあげる年の差物。遊びのつもりで本気になったら振られたけど復縁。アップダウン激しい主人公の心情の右往左往が面白い。執着物ではなく普通に恋愛物。