BLUE HUMAN

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小説ガンダムage感想。辛口かな。

小説「ガンダムage」リアルタイムで読書感想
全5冊読み始め。カバーイラストは大貫健一さん。アニメは設定も宇宙棄民ネタもキャラもテーマも良いし緻密に構成されてて中弛みないかわりに駆け足だった。もうちょっとこう‥という隙が二次創作の原動力。キャラの心理が盛られてるそうで楽しみ。多少話の改変もあるときく。
フリット編。設定のおさらい。ageシステムって3Dプリンターみたいなのだったか。しかも何が出るかわからないと。そーいやフリット編はびっくりドッキリメカがよく出たけどそれか。アニメ視聴時は流してたよ。ミニ工場的メカだったのね。アニメによくあるお宝装置でなんかエネルギー装置かと思ってた。大量生産に向かないものをデータ集めてオートメーションで作るのがageシステム。技術の向上でフォトンブラスターや、最終回ではテラフォーミングまでできるようになる。具体的にそこそこ便利。アニメは子供向けに設定の説明を省いて理論武装しない方向だったわけだけど。
合間合間に作者による人物寸評がいっぱい入る変わった文章。心理が盛られてフリットが子供らしくなってて可愛げがある。個別のイベントとして覚えてた物語の流れがわかる。モビルスーツ戦もアニメを思い出すからわかるし。改変部分はあるのかな。わからない。とりあえず攻略本みたいな感じで面白いフリット編。個人的にエミリーやディケの恋愛描写の盛りは余計かな。1,2巻フリット編は読了。連邦の腐敗との闘いと各コロニーの状況描写と課題と伏線編。わかりやすくていい。フリットがナイーブで碇シンジくんかとちょっと思ったり。地の文で子供と連呼されるにしては男女関連が妙に生々しかったり。といった二次創作ならでは部分もある。
原作者が書いてない作品は二次創作。公式でも原作や原案の表記があっても。他人のフィルターを通した作品の意味では並列。他人の目ならではの元作品への願望が面白いし。あとジャンルが戦記物で同じだからいい。その意味で乙一jojo」はジャンルが同じで良いね。平林「黒子のバスケ」はジャンルが違うから微妙。富野さんのファーストガンダム小説ではアムロとセイラがデキてたなと。監督なんだから本編でなぜしなかったし。最近は「進撃の巨人」や「マギ」のスピンオフというか二次創作が当の講談社から出ていて、原作者じゃないのにいいのかなと思ったり。というわけで、3巻の本命のアセム編に突入。
セム編。かなり色々盛られてると聞いて興味を持ってたけど。学生生活の水増しは割と普通。パーティと海でのアセムのゼハート救助とその後の会話とおんぶ会話。対話あってもロマリーが挟まるから効果半減。作者が後のエピソードを削ってでも入れたい二次創作だったんだろうけど。アニメと大差ないただの友達。別れた後のゼハートはアニメと同じに。結局アニメも自軍でしんどいから楽しい思い出とともにアセムが余計彼の中で比重を増していったという後発的なものだったのかな。あとロマリーに花を持たせたかわりにアセムが薄くなった。Xラウンダーでないことをアセムが悩む描写があまりないからかな。明るいな子が闇堕ちして浮上するのがアセム編の醍醐味だったのに。今回はエピソードの改変がわかるから比較してイマイチ。ミューセル装着がラストバトル時だとかウルフのDVとかソロンシティの邂逅が偶然でアセムから銃を抜くとかファーストバトルの結末とか。ゼハートの正体がばれるとこが端折って別離シーンが軽すぎだし。でもこれが作者のフィルターでの正解なんだなと。やたらと行間にロマリーがいるし過剰に名前も連呼。新たに作った人格だけに愛着があるのかな。ロマリー、ゼハートが本命じゃなくなってるし。アリーサがアセム好きってのもいらない。大人の恋愛事情もいらない。とまあ色々ひっかかりある。二次創作だし面白く読んだけど。改変でデシルをアセムとゼハートの共闘で倒すのはどうなんだろ。兄殺しは見殺しとは違うし、アセムの達磨粉砕で十分だし。次はキオ編。
キオ編。アニメではアセム編最終回のフリットのクーデターから。フリットの父としてのアセムへの心情吐露が盛られてよいね。キオの火星訪問前にヴェイガン兵の雑兵の怨念で火星の状況を説明してるのも面白いかと。ただ、キオがずっとゲーマーだと連呼されてて違和感。ゼハートが兵を制御できてないとか、ナトーラやユノアの歪みも違和感。フリット編からずっと女性キャラに関しては皆Level5ヒロインらしい清潔感がない感じ。体のパーツ描写多いし。作者のフィルターを通すとこう見えるのか、単に作風なのかな。キャプテンアッシュについてはこれからどう作者が評価してるかな。アセムは戦争を憂う同志としてロマリーと結婚したと思うので。そのための家庭放棄ならありだと。再婚とかロマリーならしそうだしフリットいるし大丈夫とアセムは考えたかと。父親は家に不在がちな家庭に育ったのもあるかと。キオ編のフリットも可愛げがあるね。不惑を過ぎても迷う。アッシュ登場。改変のせいでキオの魅力が目減り。悲しいくらい素直なのが良いのに。作者の理想のifの世界では家族の諍いが必要なのかな。アッシュはフリットと口喧嘩、キオはアッシュと口喧嘩。面倒くさいぞ。ゼルカントを火星の国民にも完全悪と示すし、善悪について単純化しすぎ。キオにゼハートが会うとかウェンディが海賊船に乗るとか、ユノアがアセムの生存を知ってたり海賊船に乗船したり不必要だけど二次創作らしいなと。アニメでは空気だから普通のガンダムシリーズみたく女性が出張るといいなという作者の願望かな。うーん。ゼハートとアセムの関係がぬるい。ただのお友達。敵味方に別れた悲壮感皆無。お陰でシド戦もルナベースも、先のキオとアセムの出会い&キオ誘拐のエピソードもぬるい。なんでそうしたし。聞いていたけど、ゼハートが自軍をあえてわざと壊滅させたのはどうもね。やはり合わないな。作者の考える格好よさかも知れないけど。「八重の桜」の西南戦争の話で西郷隆盛が「おいが全部抱いていく」と言って反乱軍と殉じるが、それは兵を滅するためじゃなく彼らをほっとけなかったからな訳で。兵は大将に従うしかないわけよ。だから大将は勝つため、生き残るために兵を率いる責任があるわけで。アニメの方で兵をむざむざ犠牲にしたのは作戦の失敗で結果的なものだし。小説作者の描いたかっこよさは漫画やアニメでよくあるけど。私はわからないんだその考え方。その後のアセムとの決着もぬるくなったし。ラスト戦はゲームの方の印象に近いな。ゼラはキオと対話して出オチにしないのはありかな。キオの見せ場としても。読了。
まとめ。私にとってはアニメのあのキャラクターだと思えばこそ小説も読める。日野さんの作ったキャラの魅力。小説単体での魅力ではなく。そういう意味では正しく二次創作。文章としては荒削り。乙一jojoとか成田良悟BLEACHとか西尾維新xxxholicとかと比べてはいけない感じ。フリット編は面白かった。フリットがかわいくみえた。アセム編キオ編は改変の仕方ががあんまり。設定のおさらいにはなる。さて、アニメ見直そう。