BLUE HUMAN

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クラスターエッジ視聴感想

クラスターエッジ
13話で池田成監督が降板してから後半失速するという情報があるので、まず13話まで見た。困ったことに徐々に面白くなって13話はすごく盛り上がった。架空のヨーロッパでの戦争用人造人間を巡る話。登場人物達に監督独自の戦争論・人間論を織り込んでいる。でもそのせいで監督にしか脚本が書けなくなったのではないかな。前半はほぼ脚本を書いてる。回想で尺稼ぎ、総集編の間に執筆かな。ギムナジウム舞台で死者がずっと話を引っ張るとこは「トーマの心臓」みたい。主人公アゲート以外はそれぞれの立場から社会情勢まで見えるし各々が哲学を持っている。キャラが段々立ってきてそれぞれ絡むと面白そうだなと思わせる、その辺りさすがなんだけど。
14話目の総集編はさんで風呂敷でかくて大変だったろう後半も見てみた。もう池田節は影を潜め、過去、救出、休息、市井といった順を追った展開。おそらくキャラが勝手に動く前の当初のプロット通りなんだろう。でも人造人間二人の出会いは楽しみだったし、クロムがいいキャラなので割と楽しく見れた。
本来なら13話までで影響力と思想が示され存在感を増すばかりだったカールスがアゲートの中にいるとわかり、心の描かれなかったアゲートの中身が明らかになったわけだから、これからの展開にすごく期待するところ。主人公以外の人物の思想はそれぞれがっつり語られ、戦後の不穏な時期という背景も勢力図も十分示され、主人公も人格が入った。後は様々な人の思想の葛藤とぶつかりとまた戦争…になりそうだった。また、「ガンダムW」の「EW」で武器を捨てた世界のその後のシュミレーションにも見えた。廃棄される武器を人造人間に置き換えて。平和共存の闇と隠して製造する輩。現実にありそうな。
というわけで18話目からも視聴。4人の仲良し物に路線変更だなあ。登場人物は思想ではなく性格で喋るし動く。 脚本が素直でまあ、普通のアニメならありだし悪くないと思う。でも一人一人の魅力が半減した。登場人物は感情を出しすぎるし、脇役の人々がすぐ改心するし、脚本単純すぎね?と思うところも多々。メイン4人に絞ってしまって今までのOBの濃いドラマがなくなったのは惜しい。 大野木寛脚本は「ハガレンFA」ではよかったんだけどね。話の展開のための、人物心理の不自然さにも戸惑った。別のメディアミックスの設定ムリにはめた?今までと辻褄が合わない所がある。
でもラストあたりは伏線回収してたし当初の予定通りのラストに着地していたんじゃないかな。結局後半はほぼクロムが主人公だった。視聴完遂するとなんだかんだ言って一気見させる力はあった作品だった。決着もつけてるように思う。各国の将来エリートに恩を売ったから今後悪いようにはならないだろう、みたいな。小さめの畳み方だけど。雰囲気は前半男性向けから後半女性向けになった感じ。なんつーか。身の上話したりとか、慰めたりとか、友達なんだと絶叫するとか、盛り上げどころも違う気が。池田監督が後半まで作ってたらどんなとこに着地したかな。想像するしかない。
元は学園物の予定だったらしいね。学生生活と戦争。その辺うまくいったのが「反逆のルルーシュ」か。福山潤いるし。いや、「ルルーシュ」より「ウテナ」か。学園物で不穏な背景は雰囲気に抑え登場人物はそれぞれ思想を持ってて語る。無理だ。池田成監督では想像できない。学園を出るわけだ。
池田監督の、登場人物に性格設定ではなく思想設定をするところは演劇的なのかもしれない。かつ、全員主役になって複数の群像劇になるのは大河っぽいのかも。キャラクター性格から先に決めて作るより、境遇や立場や過去を作り込めば自ずと性格が出来上がる。そういう作り方もあるんだなと。

前述の池田監督の13話は名作だった。おそらくプロットでは「匿われた教会で軍に売られた」くらいだろうが。シスターが幼い頃と同じ罪を犯し同じ悲しみを味わう話に。キリスト教的で、これだけでも見た価値は十分。原罪とその贖罪。キリストに囚われるユダの心理。キリストの復活とその後。話そっちに行ってほしかった。でも学園物設定がどっか行っちゃうからメディア展開的にはまずかったんだろうけど。

声優は鬼道くんやフィディオや神童くんの声優さんがいるから、イナズマファンの娘が反応しそうだなと思っていた。

クラスターエッジOVA『Secret Episode』
1話目はカールスとクロム団の生活。本編ではなかった。
2話目はカールス・ベスビア・エマ達の学園時代。これ本編に欲しかった。本編でカールスが学校を中退してベスビアが悔し涙にくれる場面があったから、ちゃんと描いてくれた感じ。カールスに狂気じみてこだわるベスビアが良い感じだし、カールスもベスビアに罰を、エマに救いを求めて利用したと言う歪みがいい。
3話目はメイン4人の話。池田監督じゃなければこういう話がずっと続いたのかも。